2019年7月で3周年を迎える関市ビジネスサポートセンター「Seki-Biz」。
これまでに670社、のべ4700件のサポートをしてきました。
ご利用されている事業者にとってSeki-Bizはどのようなお力になれているのでしょうか。
今後のよりよいサポートにつなげるため、利用者の生の声を聞きたいと、初の座談会を開催しました。
参加者は、平田建設の平田敬雄さん、久美子さんご夫妻、NPO法人HAPPY DOG TEAMの代表 田口尚也さん、カフェ・アダチの店主 小森敦也さん、ベビーフォトスタジオtoi toi toiの山口志穂さん。ここにSeki-Bizチーフアドバイザーの松浦俊介が加わり、和やかに情報交換・交流をしながら、約2時間たっぷりと話を伺いました。
―皆さんは、Seki-Bizに相談したことでどのような変化がありましたか。
平田(久):うちはイベントの企画やPRを中心にお世話になりました。
新聞社へのプレスリリースなどを教えていただき、イベントを実施して、それをメディアを通じてしっかりと宣伝するところまでつなげられるようになりました。
Seki-Bizに来る以前は、私たちがメディアに出るなんて考えもしませんでしたが、おかげさまで2回も新聞に掲載していただき、嬉しかったです。
また頑張ろうと励みになりましたね。
平田(敬):そうだね。良いきっかけになったよね。
―イベントではどのようなことをされたのですか。
平田(久):建築を学びたい、学ぼうとしている高校生を対象に、「建築塾」というイベントを不定期で開催しています。JW-CADというソフトを使って建築図面を描く体験をしていただくイベントです。
建築会社の職場体験というと、現場に連れていくことが多かったんですよね。でも実際に現場で子どもたちができる作業は少ないですし、本格的に作業をしてもらうとなると現場の負担も大きくなる。
だからずいぶんと躊躇してきました。
Seki-Bizに相談して、設計の体験にすれば、私たちもそれほど労力をかけずに、参加する子どもたちにも喜んでもらえるんじゃないかとのアイデアをいただいて、これまでに2度開催しました。
松浦:平田さんにしかできない、平田さんだからできることをやりましょうと話をする中で、将来設計の仕事に興味がある高校生を対象に、CADの使い方を覚えて2日間で間取りを作る体験をしてもらってはどうかという話になりました。
新聞に紹介されたことで、東京の高校生からCAD を教えてもらいたいという問い合わせがあったんですよね。
平田(久):とても驚きましたし、自信につながりました。
平田(敬):イベントやPRの他には、求人も大きかったよね。
平田(久):ここ数年は求人にはすごく苦戦していて、特に現場監督は今すごく需要が高くて取り合いの状態で、ハローワークに普通の条件で出しても見向きもされないんですよ。
Seki-Bizの無料の労務相談会を参加して、具体的に求人票の書き方のテクニックを教わりながら、条件ではなく会社の魅力で就職してもらうという方向に根本的に考え方を変えたところ、その2つの合わせ技で採用することができました。
経験者ではないのですが、すごく一生懸命働いてくれています。
平田(敬):これまでいた社員も、全く知らない子に教えることがいい刺激になっていて。社内がいい雰囲気にまとまっていて、本当に感謝しています。
平田(久):視点を変えることは、求人においても大事なんだなと実感しました。
—情報発信といえば、田口さんはユニークなNPO設立発表会をされたんですよね。
田口:犬と一緒に会見を行う「記者会犬」をご提案いただきました。
当初は設立発表会をする予定もなかったのですが、支援者を集めるためにも、殺処分0の活動を多くの人に知ってもらうきっかけを作ることが必要ですよねと。
でも単純にNPOの設立会見をしてもメディアの興味を引かない。
どうしたらいいだろうと話をする中で、「記者会犬」というアイデアが生まれました。
当日は、朝日、中日、読売新聞の方に取材に来ていただいたのですが、記者さんが「Seki-Bizにはいつもやられる!取材したくなるプレスリリースにはSeki-Bizが絡んでいることが多いんですよ」とおっしゃっていましたね。
平田(久):犬が入っただけで、急に興味を惹きますもんね。
田口:おかげさまで、新聞で紹介されたことでボランティアさんがすごく増えました。1年ほど経ってから、新聞の切り抜きを持って来てくださる方もいましたね。
応援してくださる方、関心を持ってくださる方がすごく増えましたし、新聞を見たケーブルテレビも取材に来てくださいました。
松浦:地域には魅力的な会社はたくさんあるし、地域の事業者さんのチャレンジを応援するためにも、TV、新聞や市の広報などで、こんなにも魅力的な会社や人がいると伝えていくのも自分たちの役割だなと考えています。
田口:私もSeki-Bizのニュースなどで、皆さんのことを知ることが多いですね。
平田(久):そうですね。Seki-Bizの活動を見ていると、関市にはこんなに面白い会社がたくさんあるんだと嬉しくなりますね。
平田(敬):新聞の中濃版などを見ていると、知っている人が次々と掲載されていて、自分たちも負けていられないなという気持ちにもなりますね。
平田(久):今日もそうですけど、異業種の方と出会うのもSeki-Bizが多いですね。
ミラプロ(関市の未来・社会貢献プロジェクト)でコラボレーションしている駄菓子屋カフェCHABUにもここで引き合わせていただきました。
異業種の方のお話を聞けるのは刺激になります。
—今コラボレーションの話が出ましたけど、カフェ・アダチさんの鵜飼ブレンドもその例ですね。
小森:まさにそうですね。うちのスタッフがSeki-Bizに相談に来ていたときに、たまたま関遊船の方もみえていて。それぞれ別で相談に来て、その場でパッと引き合わせていただきました。
我々はオリジナルブレンドコーヒーを広めたくて、関遊船さんは何か目玉を作りたいと思いを持っていた。その中で鵜飼のコーヒーを作ろうという話になったんですよ。
一同:すごい!
小森:Seki-Bizがなかったら、全く結びつきもなかったですし、自分たちからはそうしたアイデアは出てこないですよね。
仮にアイデアを思いついたとして、小瀬鵜飼さんに「コーヒーを作りませんか」と話をしに行ったところでうまくはいかなかったと思います。
Seki-Bizが間に立っていただいたおかげで、ポンポンとうまく運びました。
松浦:双方のお話を伺っているからこそ分かることでもありますね。
カフェ・アダチさんが刀匠ブレンドというオリジナルブレンドコーヒーを作っているということを知っていたので、鵜飼にとっては、関市で人気のカフェ・アダチさんからここでしか飲めないオリジナルコーヒーを提供していただけるのはメリットだし、カフェ・アダチさんにとっても、関市が力を入れている鵜飼に関わることはプラスだと考えました。
座談会Part3へつづく
■座談会Part 3『相談者に寄り添う、セキビズの支援とは?』
ライター:山田 智子