2019年7月で3周年を迎える関市ビジネスサポートセンター「Seki-Biz」。
これまでに670社、のべ4700件のサポートをしてきました。
ご利用されている事業者にとってSeki-Bizはどのようなお力になれているのでしょうか。
今後のよりよいサポートにつなげるため、利用者の生の声を聞きたいと、初の座談会を開催しました。
参加者は、平田建設の平田敬雄さん、久美子さんご夫妻、NPO法人HAPPY DOG TEAMの代表 田口尚也さん、カフェ・アダチの店主 小森敦也さん、ベビーフォトスタジオtoi toi toiの山口志穂さん。
ここにSeki-Bizチーフアドバイザーの松浦俊介が加わり、和やかに情報交換・交流をしながら、約2時間たっぷりと話を伺いました。
―まずは、皆さんがSeki-Bizを利用したきっかけからお話を始められればと思います。
平田(敬):私は商工会議所の青年部の活動をしているので、開設する前からから「ぜひ活用してください」という話を伺っていました。
最初はどんな場所なのかも全く分からず、「とりあえず行ってみようか」という感じでしたね。
平田(久):何も分からないまま伺ったのですが、結構ビックリしましたね。
これまで商売について誰かに相談したことはなかったのですが、主人も私も会社を運営していく中で、とにかく不安しかないですし、今後何に取り組むべきかを二人で話し合ってもなかなか答えが出てこない。
そうした不安を口に出せたことが、まずは非常にありがたかったです。また次も行こうという気持ちになりましたね。
平田(敬):そうだね。話を聞いていただく中で、私たち自身では当たり前だと思い、あまり評価していなかったことに対して、第3者の立場で「それはすごいことですね」と言っていただいたことが嬉しかったですね。
平田(久):いつも「やったー!」って自信をもらって帰るよね。
田口:僕は岐阜市で4年ほど市民活動団体をしていましたが、関市でNPO団体を立ち上げる際に岐阜市のNPOの方からSeki-Bizをご紹介いただいて、開設当初から相談させてもらっています。
NPOですが、自分たちで事業を成立させてお金を生み出しながら自走式で運営したいと考えているので、ビジネス面のご相談をするためにこちらに通っています。
—田口さんはかなりのヘビーユーザーだと聞いています。
田口:2周年(2018年7月)の時点で、最多相談事業者 第1位でしたね。
今は月に1回になりましたが、NPO法人を作るところから相談していたので、最初は月に2回以上来ていました。
僕がバーっと話したことからポイントを掴んでくださって、それを順番に一つ一つ形にしていきましょうと宿題をいただく。
悩みを整理してもらって、いつもスッキリして帰って、またグチャグチャになって持ってくるの繰り返しですね。
平田(久):スッキリして帰る気持ちはすごく良く分かります。
自分たちだけで考えていると、グチャグチャと変なまとまりになるんですが、それをほぐすような作業をしてもらえるのでありがたいです。
小森:私はあまり人に相談したりしないタイプなので、失礼な話ですが、最初は自分には必要ない場所かなと思っていました。
でも関市の某飲食店の方からお会いするたびに、「Seki-Bizがすごくいいから、一度行ってみてください」と勧められるので、そんなにおっしゃるならと重い腰をあげました。
僕は、Seki-Bizには視点を少しズラしてもらうようなおもしろさがあると感じています。
答えそのものをもらいに来るというよりは、視点を新たにしてもらえる。
「そういう考え方があるんだ」「そんな便利なリサーチの方法があるんだ」とか、自分の課題と自分の間にある距離を縮める方法やテクニックを学びにきている感じですね。
山口:私が利用するようになったのは、2018年の秋くらいですね。
Seki-Bizが開設した時に、主人から「Seki-Bizという無料でビジネスの相談ができるところができたよ」と聞いたのですが、その時は「ふーん」みたいな感じであまり興味を持っていませんでした。
その頃の私はベビーマッサージの先生をしていて、他の先生との差別化を図るためにカメラの資格を取ったところでした。
ビジネスについて改めに学びたいと女性起業家向けのセミナーに参加して、SNSやマーケティングについて学んだりもしたのですが、具体的に今の私は何をしたらいいのだろうとすぐには活かすことができませんでした。
それからかなり時間が経ってしまいましたが、ベビーマッサージの先生をやめて、カメラだけで勝負しようというタイミングで、思い切って相談させていただきました。
女性起業家のセミナーは有料だったこともあり、無料でここまで親身にサポートしてもらえるのかと驚きましたね。
最初からここに来ればよかったと思いました。
マーケティングの知識や理屈ではなく、自分で体験しながら覚えていくことが大切だなと感じますね。
—山口さんは相談に来られるより前に、Seki-Bizの写真講座の講師をされたんですよね。
山口:はい。
講師としての活動もしたことがなかったので、Seki-Bizから声をかけていただき、講師もできるよということを体験として教えていただいた感じですね。
自信になりました。
田口:皆さんはどれくらいの頻度で通われているのですか。
平田(敬):うちは月に1回です。
平田(久):先ほど田口さんがおっしゃった“宿題”じゃないですけど、月に1度で定期的に予約を入れているので、それまでに何か用意しとかなきゃという気持ちがあって、毎月Seki-Bizに行く直前に取締役会議をしています。だいたいその日の昼なんですけど…(笑)。
「めんどくさい」「後でやろう」と思っていることは、どうしてもどんどん後に積まれていってしまう。
月1というペースがあると、「それまでにやらなきゃ」という気になるので、良いペースになってるよね。
松浦さんの顔がチラチラとよぎったりして(笑)。
田口:次の予約をすると、そこに向かって進めるというひとつの目標が自然とできますね。
山口:確かにそうですね。Seki-Bizでやるべきことを整理してもらえるので、時間を見つけた時にそれをやろうと、モチベーションも上がりました。
これまでは「あんな風になったら良いのになぁ」と漠然と思っているだけで、具体的に何をすべきかが分からずに手つかずになっていることが多かったのですが、今はやるべきことが明確なので、無駄に悩む時間がなくなりましたね。
平田(久):区切り区切りで考える時間がしっかり持てるというのは、経営者にとって必要なことなんだろうなと思います。
松浦:ここに考える時間を取るために来てますという方もいますね。月に1度事業についてゆっくり考えるために予約していると。
平田(久):確かに。ここにいる1時間は全力で経営について考えますからね。
■座談会Part 2『“視点を変える”セキビズに相談して具体的に変わったこと』
ライター:山田 智子